今回は、LINEでいただいたご質問にお答えします。セールスライティングでは「共感」が大事だと言われていますが、その「共感」って何なの?という話です。
ご質問は、セールスレター等の文章を読んでる人が「あるある、そうだよね」と感じることを、普通は「共感」と読んでいると思いますが、逆に、文章を書いてる人(ライター)側が「あなたは○○ですよね、うんうん、頑張りましたね、わかりますよ…」と書いて理解してあげるのも「共感」なのか、というものでした。
セールスライティングの世界では、後者の意味としては「共感」という言葉を使わないものの、実は、テクニックとしては存在します(それを「共感」と呼ぶかどうかはともかくとして、そのようなことを意図的にすることはあります)。
けれど、そのようなテクニックを使う場合は、かなり限定されており、たとえば、購入する人たちが「わかりますよ、頑張りましたね」という承認を求めている客層であることが必要です。つまり、商材によるのです。
特に、男性向け商材のライティングで、俗に「ママになる」と言われることがある「よしよしされる」ことを求める感情は、多くの女性たちが商品やサービス購入時に求めているものではありません。このあたりは、想像と現実に大きなギャップを感じる方がいらっしゃるのかもしれませんが、男性よりも女性の方が芯が強いことが多いので、むしろ、女性には、カッコいい訴求の方が響いたりすることも多いのです。
物語を見ていても、男性の主人公は、冒頭では弱くてダメな人間だけど、そこから強くなってヒーローになっていく話ですが、女性の主人公は、最初から強くてキビキビしていて自立しています。つまり、一般的に「女性が弱い」と言われているのは、半ばフィクションでもあり本当でもある、ということです。もちろん、体格で比較するなら弱いかもしれないけれど、内面については、比例して弱いわけではないので、「よしよし、ママが面倒見てあげますよ」といったアプローチは、女性向けには普通は効果的ではなく、まず使いません。
いずれにせよ、このような感情は、セールスライティングの世界では「共感」というよりは「承認」欲求と呼ばれることが多いのですが、意図的にそのような感情を狙う以前に、お客様がうまく言葉にできない深層心理を、お客様以上に詳細に明確に言い当てることによって「この人ならわかってくれる」「受け入れてもらえる」と感じてもらえる文章を作ることの方が重要です。
セールスライティングでは、お客様が聞きたい話を、聞きたい順番で語っていきます。文章で売る場合には、読者が途中で不安になったり、疑問に思っていたとしても、話を遮って質問することができないので、あらかじめ「この話を聞いたら、きっとこういうところに不安を感じるはず」「ここで、胡散臭いと思うはず」といった箇所を想定し、先回りしてそのお客様の気持ちを代弁することによって、ずっとお客様のYESを取り続ける必要があるからです。
つまり、売り手が何かを説明するたびに、読者は「またまた、そんなこと言って、嘘でしょ。信じられない、ありえない、胡散臭い…」という気持ちになります。もし、文章の途中でそんな気持ちを抱いてしまったら、最後まで離脱せずに読むことはできないですし、たとえ最後まで読んだとしても、欲しい気持ちにはならないでしょう。
だからこそ、いったいどんなタイミングで、どのような不満や不安や疑問を感じるのかを、あらかじめリサーチしておく必要があります。残念ながら、これらの気持ちは、想像で書こうとしても、大きくはずします。妄想や幻想の中にしかいない人が買ってくれるわけではありません。生身のお客様のリアルな声を聞くからこそ、本当の意味で「売れる」文章ができるのです。
P.S.
You Tubeでは、女性ターゲット集客のコツや売れる文章を書く秘訣など、さまざまな話をさせていただいています。高評価・チャンネル登録なども、ぜひ。