女性向けの美容やダイエットの広告では、金髪の外国人モデルがしばしば起用されていますよね。女性たちにとっては、白人の美女が「理想の姿」なのでしょうか。よく誤解されがちですが、実は、そんな単純な話ではないのです。
ベストセラー『ネットで「女性」に売る』では、女性向け商品・サービスを「売るため」の文章とデザインノウハウを39の法則に分けて詳しく解説しています。この記事では、その9つ目の法則についてご紹介しましょう。
法則9:理想の自分は金髪の外国人女性!?
男性と女性では、さまざまな面で「異なるフィルター」を通して現実を見ています。「どんなイメージ写真を選ぶのか」に関しても、安易な考え方で男性が選んでしまうと、女性たちにまったく響かないものになりかねません。できることなら、最初から女性に寄り添った見せ方を知りたいですよね。男性と女性では具体的にどのような差があるのかや、実際の写真素材選びで気を付けるべき点についてお伝えします。
金髪のモデルは理想の姿ではなく「本来の自分」
「ターゲットと違うタイプのモデルを起用してもいいのか」というのは、女性向けマーケティングにおいて、よくある疑問です。たとえばシャンプーのCMなどに金髪の白人モデルが出演している事例はめずらしくありませんよね。けれども、女性たちにしてみれば、モデルと自分は「違うタイプ」ではないのです。以前にもご説明しましたが、女性たちの多くはモデルの姿にリアリティを感じており、感情移入することが可能です。そうでなければ、人種の違うモデルを起用することなどできないはずです。
女性たちが「現実離れした理想像」を追い求めていると考えるのは、マーケティングの現場においては間違いです。特に、男性の方から、しばしば「夢や現実でないものを見せれば良いのか」という質問を受けますが、そうではありません。男性と女性では「現状認識」に違いがあるので、はじめから「女性たちが持つフィルターを通して見た世界」に寄り添った見せ方をする方が響きやすい、というだけなのです。
女性たちの「現状認識」にはある種の「ねじれ」が含まれています。男性たちから見て「理想」に見えるものこそ、女性にとっては「リアルな現実」。男性たちから見た「現実」の姿は、女性にとって「仮の姿」です。そのため、男性から見えている女性の姿は、当の本人からするとまったく違った姿として認識されているかもしれないのです。
ここで「正しく現状を認識すべきだ」と正論を振りかざしたところで、意味はありませんよね。重要なのはお客様が見ている景色に合わせていくことなのです。
女性は細かな表情の違いを捉えている
同様に、男性と女性で違いが顕著なのは、「表情」を捉える感性です。たとえば異なる2枚の写真で、どちらにも「にっこり笑った女性」が写っていたとします。一見同じように見えても「表情」にわずかな違いがあるのですが、セミナーなどでお見せしても、多くの男性は「違い」を見抜けません。
けれど、女性たちは、微妙な「表情」の違いから相手の「感情」を読み取ることに長けているため、女性向けの販促物で使う「人物写真」で重要なのは、どんな「表情」をしている写真なのかです。ちょっとした「表情」の差で、まったく違った意味をもつため、同じモデルであっても、カットによって使えたり使えなかったりすることは、よくある話。
お客様は、モデルの「肌の色」や「年齢」が自分と近いかどうかよりも、モデルが写真の中で浮かべている「表情」から、さまざまなメッセージを受け取っています。そして、その表情から読み取った「感情」が、自分が欲しい「感情」なのかどうかを、無意識的に判断材料にしています。
おそらく、遠い過去、人類は男性が狩りをして、女性が家を守る暮らしをしていた頃の生活上の知恵なのでしょう。女性にとって必要だったのは、集落に侵入者が入ってきていないか、子供の顔色から熱が出ていないかなど、小さな違和感を見逃さないこと。獲物を狩るための空間認知能力ではなく、些細な変化に気がつく力が暮らしを守ることに直結していたからこそ、なかば本能ともいえる能力は、現代においても根強く残っています。
写真選びは、一般的に考えられているよりも、ずっと難しいのです。
写真を自分の好みで選んではいけない
では、具体的にはどのように写真を選べばいいのでしょうか。答えはいつもお伝えしているとおり、お客様の話をたくさん聞くこと、自分の好みで選ばないことです。私自身は女性ですが、それでも写真選びには、毎回ヒアリングが欠かせないと心底感じています。自著に掲載する写真を選ぶ際も、たくさんの方に候補の写真を見せ、意見をもらいながら作業を進めてきました。
お客様に「買いたい」と思っていただくには、お客様の求めるイメージへの理解が不可欠です。時にはお客様自身にさえ、まだ何が欲しいのかがピンときていないこともあるかもしれません。それでも、曖昧なイメージを具体化し、「こんなものが欲しかった」「よくわかるね」と言っていただける提案ができれば当然モノは売れていきます。ほんの少し先回りした提案も、お客様以上にお客様のことがわかっていてこそ、成せる技です。
もちろん顧客インタビューの技量なども問われますが、まずはお客様の理解に努めようと意識するだけでも結果は大きく変わるでしょう。自分の思い込みで仕事をすすめてしまうことほど、怖いことはありません。あなたが思う以上に、人の考えはそれぞれ違っています。一人でわかったつもりにならず、お客様の声を聞く習慣をつけていただければ、私としては嬉しい限りです。
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広告や販促は、文章とデザインの合わせ技です。ちょっとした違いが大きな売り上げの差をもたらすことも珍しくはないので、ぜひ両方の観点から女性に響く見せ方を磨いていただければと思います。とはいえ、どちらも本気でテコ入れするとなると、やるべきことが膨大に感じるかもしれません。できることなら、限られたリソースの中でインパクトのある施策から順番に取り組みたいですよね。
『ネットで「女性」に売る』の著者である谷本理恵子は、マーケティングの最前線とも言われる通販の運営責任者として、泥臭い集客を重ねてきた現場叩き上げの人間です。独立後もプロの「セールスコピーライター」として、あらゆる女性向け商材の販促や商品企画などに、成果にこだわったアドバイスをさせていただいています。
多くのクライアント様と関わる中で「これを知らないまま進めばすぐ頭打ちになってしまう」という無駄な広告費や時間や手間を目の当たりにすることも多く、非常にもったいないと感じています。
そこで、やみくもな試行錯誤や遠回りを回避していただくために、女性向けのマーケティングやセールスライティングの秘訣を動画付きの「無料メール講座」にまとめました。「どうすれば売り込まず、自然に売れるのか」に興味がありましたら、ぜひご登録いただければと思います。
P.S.
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