「表現」の問題ではない!

女性客をファンにする!セールスコピーライターの谷本理恵子です。

セールスライターは、人様の代わりに「売れる文章」を書くだけではなく、今ある販促物をよりよくするためのアドバイスを求められることが多々あります。業界内では「レビュー」と呼ばれていますが、早い話が「添削」です。
 
ただ、この場合の「添削」は、ダメ出しがメインになり、その場で代案を出すことは、ほとんどありません。
 
そりゃ、プレバトの俳句の添削のように、スパッと代案が出せれば格好いいのですが、本質的に無理なのです。
 
だって、私たちがやっている仕事は「表現」を追求することではないんですもん。
 
セールスライターの仕事は、たくさんの情報を整理して再構成すること。
 
お客様やクライアントさんの中に埋もれている「売れる言葉」を「見つけ出し」て、「魅力的な順番」で並べる方法を知っているし、人よりも圧倒的に量を見てきているので…
 
「あ、これは違う」ということはわかりますし、「こういう方向性の方がいい」とか「ここを探せば、見つかるはず」というアドバイスもできます。
 
でも、代案を示すことは、本来的にできません。
 
私たちの世界では「リサーチが8割」と言われていて、どれだけ少なく見積もる人でも「半分の時間はリサーチに使う」と言いますが、本来それだけの時間をかけて徹底的に調べ上げて出てくる言葉を、自分でリサーチもしないのに、適当に創作することは、そもそも不可能です。
 
傍から見ていると、さも「表現の工夫」だけで、売れなかったものが爆発的に売れたりするように見えるかもしれませんし、「今ある文章」を前提にして、サラサラっと書き直せるように思われることも多いのですが、本質的にまったく違っています。
 
最近よく思うのは、「売れる文章」にならない理由は、ちょこっと直せばどうにかなると思っている発想自体にあるんじゃないかなぁということです。
 
「数ある商品の中で、お客様はなぜ、あえて今この商品を買うのか」が手に取るようにわからない状態のままで、「表現」を変えても意味がありません。
 
人を動かす「表現」の手前にある、もっとずっと根本的な話の方がよっぽど大事で、そこさえ外さなければ、「表現」なんて稚拙であっても売れるのに…。
 
そこがさっぱり理解されない時がとっても多いのが、この仕事をやっていて一番もどかしく、「あー、もったいない!」とイライラするところです。
 
「売る」ことが目的である以上、後ろから逆算して、顧客心理を考えながら書かなければ、意味がありません。
 
そのあたりを、新刊『女性に「即決」される文章の作り方』を読まれた方は、ぜひ考え直してみていただければ、嬉しいなぁと思います。
 
 
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